法人化 約3分で読めます
役員報酬の決め方 ── 法人と個人の税金を最適化する
役員報酬はなぜ重要か
法人化すると、利益を「法人の所得」と「個人の給与(役員報酬)」に分けることになる。この配分で税金が大きく変わる。
法人の利益 1,000万円
├→ 法人に残す: 500万円 → 法人税(約15〜23%)
└→ 役員報酬: 500万円 → 所得税+住民税(約20〜30%)+ 社会保険料
役員報酬のルール
| ルール | 内容 |
|---|---|
| 定期同額 | 毎月同じ金額でなければ経費にならない |
| 変更時期 | 事業年度開始後3ヶ月以内のみ |
| 届出 | 期首に決めたら1年間変更不可 |
⚠️
途中で変更すると経費にならない
「今月は売上が良かったから報酬を上げよう」はNG。差額分が経費として認められなくなる。
最適な報酬額の考え方
考慮すべき要素
- 所得税の累進課税 – 報酬が高いほど税率が上がる
- 法人税の税率 – 800万円以下は15%
- 社会保険料 – 報酬の約30%(会社+個人)
- 給与所得控除 – サラリーマンの経費的な控除
ざっくりの目安
| 法人の年間利益 | 報酬の目安 | 理由 |
|---|---|---|
| 500万円 | 300〜400万円 | 所得税の低い税率を活用 |
| 1,000万円 | 500〜700万円 | 法人800万円以下の税率を活用 |
| 2,000万円 | 800〜1,200万円 | 社会保険料とのバランス |
💡
税理士とシミュレーション
最適な報酬額はケースバイケース。配偶者の有無、他の所得、社会保険の等級など多くの要素が絡む。税理士にシミュレーションしてもらうのが最も確実。
給与所得控除のメリット
役員報酬には給与所得控除が適用される。個人事業主にはない大きなメリット。
| 給与収入 | 給与所得控除 |
|---|---|
| 〜180万円 | 収入×40%-10万円(最低55万円) |
| 180〜360万円 | 収入×30%+8万円 |
| 360〜660万円 | 収入×20%+44万円 |
| 660〜850万円 | 収入×10%+110万円 |
| 850万円〜 | 195万円(上限) |
例: 報酬600万円 → 給与所得控除164万円 → 課税対象は436万円
社会保険料への影響
報酬が高いほど社会保険料も上がる。ただし標準報酬月額には上限があるため、一定額以上は保険料が変わらない。
| 保険 | 上限月額 |
|---|---|
| 健康保険 | 約139万円 |
| 厚生年金 | 約65万円 |
年収780万円(月65万円)を超えると厚生年金の保険料は頭打ちになる。